たれぱんのびぼーろく

わたしの備忘録、生物学とプログラミングが多いかも

共産主義と資本主義

資本主義: 「資本をもつ人」が「能力ある人」と資本契約を結べば世界はどんどん成長して幸せになるに違いない!という主義

共産主義: みんなで資本を持ちみんなで作ればみんなの資本が増えていく、搾取のない幸せな世界になる!という主義

共產主義の特徵とするところは … ブルジョア財產の廢絕である。… ブルジョアの私有財產は … 生產および生產物領有方法の、最後にしてかつ最も完全󠄃なる表現である。…
資󠄄本は協力的產物である。… 社󠄃會全󠄃員の共同作業によつてのみ働かされうるものである。故に資󠄄本は決して個人的の力でなく、一つの社󠄃會力である。…
共產主義の社󠄃會にあつては、集積された勞働が、ただ勞働者󠄃の生活を擴大し、豐富にし、增進󠄃させる手段になる。

資本契約が肝なので資本主義。共同持分・共同生産が肝なので共産主義

共産主義の実装

産品の決定

生産は有限の資本を特定の商品へ転換する作用.
なので生産する商品を決める必要がある.

資本主義であれば簡単、資本の持ち主が最終決定する.

共産主義では資本が共有されてる、つまり全人類が持ってる.
資本主義と同じ考え方をするなら、社会の合意で決めることになる.
すなわち、共産主義は「何を生産するか社会合意を取る」仕組みが必ず必要.

A. 習慣

「今までなんとなくそうだったから同じように作り続ける」やり方. 既に存在するのに従うのが暗黙の了解.
素朴な農村社会、みたいなもの.

B. 権威

「神の代行者たる代表の指示通りに生産する」やり方. 代表を無条件に信じることで同意となす.
王族や宗教政治のやり方.

C. 投票

「今年分の生産投票をします」なやり方. 社会の成員がみんなで合意を取る.
小さなクリエイター集団がモノづくりするときにやりそうなやつ.

D. 計画

「科学的需要見込み算出とそれに基づく生産」方式. やり方への信頼をもって合意を得る.
まさにゴスプラン.

問題点

  • 習慣: それでうまく行くならずっと村社会
  • 権威: いずれ権威は腐る = 神はいない
  • 投票: 局所最適
  • 計画: 未来を見通せる神はいない

権威型では、最高の決定をおこないタイミングが来たら適切に権限移譲できる人が必須. でもそれを何代も出来る神みたいな人間群はそういない.
投票は人の自己理解を過信してる. 実際に手にとって「なんか微妙」「あれ足りないじゃん」が続出する.
計画は人類の力を過信してる. 5年後に必ず必要となる人類を幸せにするX、を確定で当てることなんてできっこない.

どのやり方でも資本の使い方が不完全になる.
それでも不満を抱かないあるいは不満を飲み込める?
せっかく働いて作った資本を無駄にされたら怒らない?
より効率の良い主義があったりしない?

品物の生産

生産が完璧じゃなかったらどうするのか.
能力不足だったら? やる気が足りかなったら?

資本は共有財なのでサボった人にも同じ分前が無いとと主義に反する. 「俺の資本で生産されたのに俺に分前ないとはどういうことだ」になる.

その鏡で、自分の頑張り単体じゃほとんど見返りがない状況でどう頑張れるのか、もある. つまりインセンティブ.
みんなが5%頑張ればたしかに理屈上は5%向上するけど、サボる人もいるし、ちょっとサボってもバレない…みたいな発想になりがち.