たれぱんのびぼーろく

わたしの備忘録、生物学とプログラミングが多いかも

悪の栄え方: 秘密の逆分配

集団から支持を得る悪なやり方として、少数から秘密裏に奪って多数派に配る逆分配がある.

実態は搾取を原資としたバラ撒き政策.
しかし奪われる側は少数なので口止めが効きやすい (「収容所に入れてしまえ」).
この口止めにより搾取が見えなくなるので、多数派から見れば「社会が上手いこと良くなって凄く状況が改善した!」と恩恵だけが感じられる.
結果、恩恵を受けた多数派の支持が得られ、形式上合法的に支配力を得られる.

分配政策なので生産も改善もいらない、必要なのは武力だけ. 愚鈍な悪でも出来る.

この支配方式の弱点は「長くは持たない」こと.
少数から無限に奪うことはできないので、いずれ多数派の中から新たな少数派を見出すしかない.
このループの中で人材プールは枯渇していく.
地道な生産・改善でなく逆分配が駆動していくので生産・改善は軽視され、ただでさえ人材不足なのが急速に悪化していく.
目を瞑ったタコが自分の足を食い続けてるようなもの.

解決策は一つしかない.
素早く支持を集めたのち、政治方式を独裁から専制へ変えてしまうこと.
逆分配で熱狂的に支持される大統領になったのち、偽旗作戦でもして緊急事態を宣言し、その権限をもって議会と選挙を廃止する.
選挙が無いので支持を気にせず好き放題できる、これで勝ち.

逆分配を引き金とする権力掌握としては完成してる.
「完璧な専制」がジワジワと滅んでいくのはまた別の話.