たれぱんのびぼーろく

わたしの備忘録、生物学とプログラミングが多いかも

ソフトウェア産業の特徴

ソフトウェア産業には特徴がある。それをハッキリさせると、この産業に有効な技能を導入しやすくなる。なので特徴を知ることは大切。

量産がゼロコスト

量産の定義: 全く等価な製品を複数生産すること

ソフトウェアの量産コストはゼロである。言い換えれば製造の限界費用が0。なぜならコピペが生産となるから。
これは極めて稀な特徴である。野菜はコピペできない、車もコピペできない、マッサージだってコピペできない。つまり一次産業も工業もサービス業も限界費用0にならないのが普通。
でもソフトウェア量産に人的コストも資材コストも無い、コピペするだけ。

https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r01/pdf/n2100000.pdf

製造工程がない

ビジネスプロセスを
開発→設計→製造→広告→販売
にわけるとしたら、製造工程が丸々無い。製造ラインの設計 (プログラム完成) が済んだらゼロコストで量産 (コピペ) されるので。
もしコピペを知らない宇宙人にプログラムを量産させようとしたら、完成したプログラムを見せて「この完成コードと同じ順番でコードを書き、テストを実行し、出来たコードを提出せよ」と命じて1つずつプログラムを生産することになる (シュールすぎる)。
宇宙人方式ならこれは明らかに製造工程である。このことからコピペ式だとたしかに製造工程が無いのがわかる。そして「プログラミング」が開発・設計工程にあたるのがよくわかる。

製造の各工程は「工程/プロセス」という語が示唆するように、定型化された入力-処理-出力 からなる。
形式化できているから振る舞いの大部分が予測可能で、だからこそ予測からの逸脱が重要シグナル。
形式化されて変更の影響が読めるので、頭で考えて部分的な処理カイゼンが有効。

しかし、製造工程で生まれる微妙な機械の不具合や贅肉の付いたプロセスをカイゼンしようにも、そもそもソフトウェア産業には製造工程が無いのである。