たれぱんのびぼーろく

わたしの備忘録、生物学とプログラミングが多いかも

LTCM本から学ぶ

不正確なリスク見積もりに基づくレバレッジ

LTCMが想定した戦略
低リターンのrelative value投資を高いレバレッジで行う

戦略に必要な道具
低い手数料 (取引・融資)
多くの原資
高いレバレッジ

道具を揃えるための仕組み
レバレッジを用いた高リターン期待に基づく良条件の原資・融資
リスク定量化による高レバレッジの正当化

起きたこと
数年の成功 (運が当然からむ)
成功が道具を揃えやすくする
運用額急増によるクジラ化、市場効率化による取引機会・利益の減少
(ヘッジしない投資を含む多角化)
価格の逆方向への変動
ほぼ起きない前提の価格に突入
LTCM・同様の戦術を取っていた市場参加者に対する信用収縮
信用収縮による投売り、更なる価格悪化、流動性喪失、更なる信用収縮加速
おわり

破綻原因: 市場全体が低く見積もったリスクに基づいて過剰なレバレッジを設定しそれが市場全体での信用収縮を引き起こしたこと
破綻規模が大きくなった原因: 過剰なレバレッジによる初期運用効率の良さと、正しいと信じられた正当化がもたらした、多額かつ良条件の出資・融資

出来た対策
計画自体が半分破綻している。
良き資金調達と高いレバレッジが低リターン市場への投資を可能にしている
理論武装した高いレバレッジが他の全てをもたらしてくれるが、高いレバレッジはリスクと実際は釣り合っていない
高いレバレッジが不可能なら、資金も集まらない
そもそも計画段階から破綻していたとみるのが妥当

不正確なリスク見積もり

正規分布に基づくリスク表現 (ロングテールの見落とし)
(前者を含んでるはずだが) 分散投資によるリスク低下 (中心極限定理使ったけど独立分布じゃなかった、とかだと思う、本には書いてない)